夢 物 語 W

(これは作者の夢の中の物語であり、事実とは関係ありません)


Z作

田中に飼われる事になった美奈子のペットとしての生活が始まった。

普通の男性としての生活をしていたのはそれほど以前という訳ではないのに、事態の変わりようの激しさに美奈子は呆然とする思いであった。

男でありながら男のセックスの対象とされることなど思いもよらなかった事であるし、それも
愛人とか恋人という関係ではなく、男のペットという所有物にされてしまう事態が美奈子には信じられない事ではあったが、現に自分の意思とは関係なく藤田や田中という男達に身体をもてあそばれ、自分の体が男の楽しみに使われるという現実に、美奈子は大きな屈辱感に襲われていた。

郊外にある田中の邸宅は三階建ての豪邸であったが、その地下には広い地下室が広がり、そこで美奈子を初めとする田中のセックス用のペットが三人(田中の感覚では三匹)飼われており、他に来客の接待用に純女のペットも二人飼われていた。

江戸時代で言えば其処は田中という将軍の大奥であり、アラビア風に言えばハーレムであった。

地下室への秘密の入り口は一箇所しかなく、田中と田中が心底信頼できる使用人達だけしか入れないようになっており、人がペットとして飼われているなどという事態が外部に漏れないようになっていた。

それは同時に美奈子達ペットが逃げ出せないようにもなっている事を意味していた。

しかし時にはペットを地下室から上の住居部分へ連れ出す事もあった。

それは余程信頼できる客以外の来客は住居部分での接客になるため、客を接待するために横に侍らせる純女のペットは地下室から連れ出さざるを得ず、そういう場合は田中も客と一緒にペットを嬲って楽しむための女装ペットを傍らに置いておくからであった。

地下室から出されたペットは逃げ出す可能性が高くなるが、住居部分にも田中の経営する闇金融等の社員が日替わりで何人かが常駐して見張っており、また藤田のところでの調教期間中の恥辱的なビデオが田中に譲られ、そのビデオの存在を各ペット達は知らされているため、逃げ出すなどという危険はなかなか犯せなかった。

ペットにはそれぞれ女性の飼育係が付けられたが、女のペットは来客のあるとき以外は用が無く手間が掛からないので、二人のペットに一人の飼育係が付いた。

美奈子の飼育係は真弓という30歳くらいの女であった。

どの飼育係も女装ペットに性的な興味を持っておらず、ペット達は飼育係から性的な辱めを受ける事は無かった。

飼育係はペットの身体、顔、髪、爪等に至るまでを美しく保つための手入れをし、衣装を選んで着せ、化粧をするなど、田中の性的な遊び道具であるペットを、常に田中が満足する状態に保つのが仕事であった。

勿論ペットの性器を清潔で敏感な状態に保つ事も仕事に含まれていた。

ペットが地下室にいる限りは殆ど常時飼育係が傍に付いており、ペット首に嵌められた首輪の鎖を手に持っていた。

ペットは田中にもてあそばれるために飼われているので、当然田中の所に連れ出される事が多いが、飼育係に首輪の鎖を引かれて田中の前に行くだけでなく、ペットが田中に恥ずかしい愛撫を受けている間も飼育係は傍に控えている事が多かった。

それは恋人や夫婦が互いを愛撫する場に他人が居るのは何か気まずいという感覚ではなく、家畜を飼い主が撫でてやる時に、飼育係が傍に居てもなんら不自然ではないという感覚であった。

田中が地下にいる間は必ず一人以上のペットが直ぐ傍に侍っており、田中が移動する際にも彼の手の届く所にペットが付いて歩いた。

田中がペットの身体に触りたくなったり抱きたくなったりした時に、いつでも直ぐに思い通りに出来るためであった。

ペットにはそれぞれ個室が与えられており、派手で豪華な部屋であり、柔らかい大きなベッドが備えられ、ピンクや赤の寝具やクッションが部屋中に散在した。

これは田中が地下に自分の寝室を持たず、毎夜気の向いたペットの部屋で夜を過ごすため、性的な淫猥な行為を行なうのにふさわしい雰囲気にしてあるのであった。


しかしペット達は田中の恋人でもなく妻でもなく、犬や猫や小鳥と同じように人間に飼われているペットに過ぎない事を常に認識させるために、どの部屋にも片隅に大きな犬小屋風の小屋が置かれてあった。

大型犬用の犬小屋くらいの大きさで、中には柔らかい寝具が敷かれてはあったが、入り口は小さく這って入らねばならず、田中が訪れてこない夜はペットはこの小屋で寝なければな
らなかった。

中には心地よい寝具が敷かれてあるとはいえ、這って小屋に入り首輪から延びる鎖を入り口の鉤の括りつけられたまま寝る際には、とてつもない屈辱がペットたちを襲った。

当然のことながら秘密が漏れる危険を避けるため、基本的にはペットたちの居場所は地下に限られていた。

従って田中が快楽の時を過ごすのも殆ど地下に於いてであった。

ペットを抱いて寝る就寝時間は勿論、食事の際も傍にペットを置いておくことが多く地下の食堂で行なわれた。

テレビを見たり読書をしたりして寛ぐ際も、自分の横、膝の上或いは足元にッペットを侍らせ、気の向いたときに手を伸ばせばペットの体の触れるようにしたいために、地下で寛ぐ事が多かった。

地下で食事の際は綺麗に着飾らせたペットを食堂の隅に立たせたり座らせたりして、目で楽しみながら食事をすることもあれば、田中の直ぐ隣に身体を密着させて座らせ、片手でペットの柔らかい身体を撫でたり揉んだりしながら食べる事もあった。

食事をするのは田中だけでペットは田中の目を楽しませたり手を楽しませたりするだけだったが、時にはペットも一緒に食事をすることを命じられた。

その際は、食事の内容は田中と同じであったが、それらは全て皿に盛られて田中の足元 
に置かれ、ペットは四つん這いになって手を使わずに口だけで食べる事を強要された。

ペットが人間と同じように食事をするなどとんでもない事で、犬や猫と同様の姿で食べるのが当然というわけであった。

珍しく一日予定のない日で田中が朝から地下のリビングルーム風の大きな部屋で寛いでいた。

柔らかくて座り心地の良さそうなソファに身を預け、テレビのニュース番組を見ていたが、膝の上には美奈子を抱いていた。

闇金融や性風俗店といった半ば以上世間の闇の部分に足を突っ込んだ商売とはいえ、企業経営者の側面を持つ田中はニュース番組はよく見た。

硬い番組を見ているときでも地下に居る限り田中はペットを手元に置く事が多かった。

ペットに陥れられる前には普通のサラリーマンであった美奈子もニュースはよく見た。

しかし今では目の前でニュースが放映されていても、自分は男の膝に抱かれて体中を撫で回され、ニュースどころではなかった。

しかも綺麗に化粧され、可愛い少女のような衣装を着せられて、自分とそれほど違わない年齢の男性に抱かれている状況には、なかなか慣れるものではなかった。

田中はテレビを見ながら半ば退屈凌ぎのように美奈子の身体を撫で回しているのだったが、男の愛撫に敏感に反応する身体にされている美奈子にとっては、快感に反応するのを止めることは出来なかった。

薄い衣装の上から乳房を揉まれればペニスが反応し、スカートの中に入れられた手が
ペニスを玩弄すると硬くなり身を捩った。

快感を感じたら喘ぎ声を出すようにと厳しい調教で叩き込まれた結果、今では乳首やペニスへの愛撫が来ると殆ど条件反射のように声を出してしまうのも、美奈子にとって悔しく情けない事であった。

今は田中の意識はテレビに集中し、美奈子の性器をいじる手は半ば無意識での動きであったし、それに感じさせられた美奈子があげるよがり声も、田中にとってはいつも流れているBGMみたいなものであった。

片手間で美奈子を撫で回すのではなく、美奈子を玩弄するのに集中している時も含めて、田中が地下でリラックスし美奈子を抱いている時には、普通男が女にする事と同じ事が行なわれた。

抱き締められ、唇が吸われ、舌が口の中を這い回り、体中を撫で回され、乳房を揉まれ、乳首を摘まれていじられ、スカートの中に手を入れられ、太腿を撫でられ、パンテイの上から股間を触られ、パンテイの中に入れられた手の指で性器をいじられた。

そして田中の気が向けば素裸に剥かれ、ペニスをしゃぶらされ、犯された。

しかし普通の男と女の場合、男の愛撫は女を愛するからであり、女の方に同意があり愛撫から来る快感に女も喜ぶはずだった。

田中が美奈子をもてあそぶのは専ら田中が楽しむためであり、美奈子の身体に快感を与えるのは美奈子が好きだからではなく、美奈子が強制的に快感を与えられるのを見るのが面白いし楽しいからであった。

美奈子の同意など田中の頭にはなく、美奈子を人間とさえ思っておらず、ただ身体をいじってやれば気持ちよさに悶え声を出すのが面白いという理由のみで行なわれる愛撫であった。

勿論普通の男と女の場合と最も異なるのは、玩弄を受ける美奈子が女ではなく男である事、田中の手が美奈子の股間で弄り回すのがクリトリスではなくペニスだということだっ
た。

男が性的な興奮を望む場合最終的には射精まで行くのが普通であるが、リビングで寛ぐ時の田中は自分の性器に対する刺激はそれほど求めないようで、専らペットを触りもてあそび玩弄するだけの事が多かった。

美奈子もそうであるが、男に触れられる事で性感が高まるように調教されているペットにとっては、田中が射精を望もうが望むまいが受ける刺激は同じで、田中がテレビを見ながらリラックスしている膝の上で激しい快感に襲われて射精させられる事も良くあった。

それも美奈子にとっては悔しく情けない事だった。

そうやって田中が昼間寛ぐ際には、美奈子を含めて三人(田中は三匹と呼ぶが)いるペットのうち一人が呼ばれて抱かれるが、時には二人のペットが呼ばれる事があった。

勿論二人のペットを抱き寄せて同時に可愛がる事もあったが、大抵の場合は一人を抱いてもう一人は部屋の何処かに飾られ田中の目を楽しませた。

田中は飾られたペットを部屋のインテリアくらいに思っていた。

飾られるペットは豪華で可愛いドレスを着せられたり、目も覚めるような色合いの大振袖を着せられたり、ペチコートでスカートが大きく膨らんだ純白のウエデイングドレスを着せられたりし、ソファに座らされたり、部屋の片隅に立たされたり床に寝そべったりさせられ、その綺麗さや可愛さが部屋のインテリアとしての役割を果たしていた。

勿論そうした美しい置物として飾られるだけでなく、時には破廉恥な衣装を着せて飾られ、ペットを恥ずかしがらせ悲しませる事もあった。

綺麗な人形のように着飾らされて置物にされる時は別として、破廉恥な衣装を着せられる時には大抵ロープや拘束具で手足の自由を奪われた形で飾られた。

極端に短いマイクロミニのドレス、スケスケのドレスで下着もスケスケのパンテイのみ、乳首を露出したブラジャーと股間にフリルで縁取られた穴の開きペニスがこぼれ出ているパンテイ、丈が乳房の直ぐ下までしかないシースルーのベビードールとペニスの先が飛び出てしまうほど小さなシースルーのパンテイ等々、ペットに恥辱を与え田中の目を楽しませる事だけを目的としたものを身に着けさせられた。

それでも何かを身に着けさせて貰える時はまだましで、時には一糸纏わぬ素裸で縛られて立たされたり、吊り下げられたりする事もあった。

田中を悦ばせるために裸に剥かれ、手足の自由を奪われて田中の視線に犯されるのは、ペットにとって耐え難い屈辱だった。

田中による視姦も耐え難いものだったが、田中が部屋を出入りする際や部屋の中を移動する際に、破廉恥な衣装を着けさせられて身動きできないペットの乳房やペニスを触る事があり、これは視姦されるより悲しいことだった。

視姦と違い性器への玩弄がペットに快感をもたらすだけに、ペットは哀れだった。

自分の性器に触り快感を与えるのが自分と同じ男性である事、女性でも着るのを嫌がるような恥ずかしい物を身に着けていること、縛られたまま玩弄されること等でペットの情けなさは大きく、時に射精に至るまでペニスをいじられた場合は、ペットはペニスの先から白濁液を床に垂らしながら目に涙を溜める事が多かった。

では破廉恥衣装で縛られるのではなく綺麗な衣装や可愛いドレスで飾られる場合は、単に部屋の片隅に立たされたり、ソファに寝かされたりするだけかといえば、そうでないことも多かった。

田中が好むのは可愛いドレスや美しい振袖の下でペニスに強力なリモコンのバイブを装着し、もう一人のペットを愛撫しながらリモコンをONにしたりOFFにして楽しむ事だった。

人形のように飾り立てられて指定の場所に立ったり座ったり寝そべったりさせられながら、ペットは下着の中で強力に振動するバイブに快感を強制された。

縛られもせず綺麗に着飾った美少女が快感に耐えてもじもじする様は、田中の楽しみの一つだった。

その美少女が男であるという事が田中を悦ばせるのだったが、ヒラヒラ、フワフワした女の衣装を着せられて離れたところからリモコンで股間を刺激される男の方は、ひたすら悲しかった。

美奈子は田中の一番のお気に入りだった為、田中の目を楽しませるインテリアとして飾られる事よりも、田中に抱かれている事の方がはるかに多かった。

それでも時にはヒラヒラやフリフリの可愛いドレス姿で飾られたり、着ている方が素裸よりもずっと恥ずかしいような下着姿で置物にされることもあった。

綺麗な人形として飾られて田中に見られるのは田中に身体を触られるよりもましだとも言えたが、田中の気まぐれでON/OFFされるリモコンバイブがによって、美奈子の気持ちと関係なく快感を強制されるのに耐えなければならないのも辛いことではあった。

こんな境遇に陥る前の美奈子は、そもそもセックスプレイ用バイブなどは女性に対して使われるものだと思っており、男である自分がバイブで感じさせられるなどとは考えた事もなかった。

しかもペニスに装着されたバイブは美奈子を気持ちよくさせるためではなく、その快感に耐える美奈子に恥ずかしい思いをさせるのを田中が面白がるためである事が一層悲しい思いにさせた。

美奈子が置物にされて辛いのは、田中の腕の中に抱かれてもてあそばれている自分以外の女装ペットを目の前にすることだった。

藤田からも田中からも自分の身体をもてあそばれ、「即売会」では多数の男にオモチャにされ、男であるのに女として男に抱かれ触られ犯されるという辱めは受けてきたが、同じ境遇の女装ペットが男からペニスをいじられ、望まない快感に悶え身を捩るのを見るのは辛かった。

男が女にされて男の性的愛玩物にされているというのはああいう風に見えるのかという情けない気持ちにさせられた。

勿論、バイブで股間を刺激されながら可愛い人形のように飾られるのではなく、恥ずかしさの極致とも言える姿でインテリアにされるのも美奈子にとって耐え難い苦行である事に変わりはなかった。

人形姿が多少とも美しさを演出したものであるのに対し、破廉恥衣装の場合は専ら田中の性的嗜好を満足させるためだけが目的であった。

その目的に沿うための衣装は、スカートなら短か過ぎ、布は薄過ぎ、乳房や股間を覆う下着は殆どシースルーであり、極端な場合胸と股間だけが何も覆われていない衣装だったりした。

これらの衣装は美奈子に羞恥や屈辱を与えそれを眺めて田中が楽しむためのものであったが、田中が傍らを通り過ぎる際に美奈子の嫌がる箇所を触る際の利便性も目的の一つだった。

従って極端な場合一糸纏わぬ素っ裸で飾られる事もあり、それこそ究極の破廉恥衣装であった。

その上破廉恥衣装の場合は大抵縄や手錠や首輪や手枷足枷で手足を拘束されたり、大股開きで両脚を床に固定されたりした。調教やお仕置きのせいで、拘束の有無に拘わらず田中のする事に逆らうことなど思いもよらないのに、敢えて拘束されるのは美奈子達ペットの羞恥心を最大限呼び覚ますためであった。

部屋のインテリアのように飾られてこの上もない恥ずかしい姿を田中という同性で同年代の男性の目に晒されるのも辛い事だったが、時にその姿のまま田中に敏感な部分を触れられるのは更に辛い事だった。

大抵の場合ひょいと乳房を揉まれたりちょっとペニスを摘まれたりするだけだったので、美奈子は少しの快感と屈辱感をぐっと我慢するだけでよかったが、時には田中の気分次第で美奈子に「触れる」だけでなく美奈子を「逝かせる」事に熱中する事もあった。

短時間の陵辱に対し少し我慢をしてやり過ごせば良いと考えているのに、射精まで行かされるのだと判った時の惨めさは格別だった。

男性からの愛撫に反応するよう調教され、田中によって更に開発されて敏感になった乳房と股間は、ちょっと触られただけでも強烈な快感をもたらすようになっており、消え入りたいような恥ずかしい衣装と、玩弄に抵抗できない姿で、田中の手の動きに性感を掻き立てられるのは、この上ない惨めさであった。

田中の行為が美奈子を気持ちよくさせてあげようという愛情からのものならまだしも、にやにやと面白がっている顔つきであれば尚更惨めさは大きかった。

どこをどう触られようといつ触られようと、身体をピクとも動かせないよう拘束されたまま性感を刺激されながら、田中が面白がって動かす手による玩弄で、耐え難い気持ち良さによがり声を上げさせられる美奈子は哀れなものであった。

美奈子が普通の男性だった頃は、女を悦ばせるために身体を触ってやるのは自分の方だったのに、今では自分が男に触られる方だった。又女を抱くにしろ愛撫するにしろ、相手の女性の気持ちを考えそうすれば女が喜ぶかをいつも考えていたが、今では田中によって自分の身体に加えられる刺激は、自分の気持ちとは関係なく、田中が楽しみたいかどうかだけだった。

またかつて女を裸にしたり女を下着姿にした時には性的な興奮を覚えたが、今では自分が男を悦ばせるための恥ずかしいものを着せられ、その姿が田中に性的な興奮を与えているのだった。美奈子は悔しかったが、田中に性器を触られてとろけそうになるほど気持ちが良くなるのも悲しかった。

何よりも以前と違うのは、かつては男女間の性的な行いは二人だけで密かに行なわれるものだと思っていたが、今では機密に守られた地下部分にも何人か居る田中の部下や家政婦やペットの世話係などが居る所でも構わず、田中の気が向けば快感を強制される事だった。

それは美奈子が人間ではなく田中のペットであり愛玩動物だからであった。

ひとが犬や猫を撫で可愛がるのに他人の目は気にしないものだから。

田中も闇金融を初め風俗営業等怪しげな企業とはいえ手広く事業を展開しているので、昼間自宅に居る事は少なく、まして地下の居間で昼間から女装ペットを抱いて寛ぐ事も稀であった。

従って美奈子達も一日中田中の膝の上や腕の中で抱かれて過ごす事は滅多になく、居間に恥ずかしい姿で飾られる事も月のうち数日に過ぎなかった。

しかし夜はペットを可愛がって過ごす為に、多少無理をしてでも殆ど毎晩帰ってきた。

夕食時にはペットが食堂に呼ばれたが、美奈子は夜のベッドの相手をさせられることが多いため食堂には滅多に呼ばれなかった。

それでもたまに呼ばれるとその夜は田中とベッドを共にしなくていいことが多く、美奈子にとって嬉しい事だった。

可愛い衣装を着せられて、食事をする田中の横に座らされ空いた手で身体を撫で回されたり、田中の足元に四つん這いにさせられ、手を使わずに床に置かれた皿から食事をさせられたりするのは辛い事だった。

それでも夜のベッドで長時間田中のいやらしい愛撫を受けるよりもまだ良かった。

夜に田中に抱かれるのはペットにとって最も重大な役割だった。そもそもセックスの相手にするために巨額の代金を払って購入し、多くの費用と人手をかけて飼っている女装ペットであり、その目的を果たす事に専念するのが夜だったからである。

ペットが夜に田中に抱かれるのは、普通の妻が夫に抱かれる関係とは全く異なり、そこには愛情のかけらもなかった。

それは江戸時代の大奥やアラビアの王族のハーレムに似ていた。

自分の領地や配下の領民の中から美しい女を権力を傘に連れてきて、女の意思に配慮することなくセックスの対象にしてしまうという意味では、金に飽かせて買ってきたペットを好きなように自分の性の嗜好の捌け口とする田中と同じであった。

しかし大奥やハーレムでは女達に世継ぎや後継者を生ませるという目的があったが、田中のペットにはそれさえなく、ただひたすら田中の性衝動を満足させるという意味しかなかった。

現在三人(田中に言わせると三匹)飼っているうちどのペットを抱いて寝るのかは、昼間の内に田中から告げられた。

その夜田中に抱かれる事になったペットはその世話係も含めて忙しくなる。そのペットの個室はその夜は殿様である田中の寝室となり、いつもは犬小屋で寝かされるペットもその夜は、スベスベの光沢のあるサテンのふわふわの夜具が敷かれ白やピンクのレースで囲われた艶めかしい天蓋付きのベッドで眠る事になるのだった。

美奈子は現在田中の一番のお気に入りのペットだったので、いきおい田中の夜の相手に指名される事が最も多かった。

大抵の場合午後の早い時間に田中が今夜美奈子の部屋を訪れる旨知らせが入る。江戸城の大奥で側室の所へ「将軍のお成り」が告知されるのと同様である。

田中が外出している時は外出先から知らせが入ることもあった。

大奥の場合夜伽を命じられると、側室は上様の寵愛を受けられ子種でも授かれば大出世が約束されるので大喜びをする筈だったが、美奈子達女装ペットは意思に反して女にされ、ベッドの上で同性の男の性欲処理の玩具にされる事を予告されただけのことであった。

何時間も前に知らされ無理矢理身体を悦ばせられるおぞましさを感じつつ田中を迎える準備をさせられるのは、いつまで経っても慣れることの出来ない苦痛であった。

田中が美奈子の個室に来るという予告が美奈子に与える苦悩とは別に、美奈子の飼育係の真弓は大いに張り切ることになった。

田中の信頼を受け田中の大事なペットの飼育を任されている真弓にとっては、美奈子を田中の気に入るペットに仕立て上げる事が唯一の役割であり、うまくいけば田中の評価が上がり、失敗すれば評価が下がる事になるわけで、力が入るのは無理もなかった。

ー続くー

買われた美奈子のペットとして飼育される様子です。
美奈子も首輪に繋がれて飼育されるのってすごくそそられちゃいます。
どうも、ありがとうございました。


BACK

Copyright(C) Minako